2024年7月28日、ベネズエラで大統領選挙が実施された。その結果をめぐり、現職と対立候補の間で激しい争いが生じている。選挙管理委員会(以下「選管」)は翌日未明に、2013年以来政権を支配するニコラス・マドゥロが51.2%、反政府派連合の統一候補エドムンド・ゴンサレスが44.2%の得票率で、マドゥロが再選を決めたと発表した1。しかしその直後、反政府派連合を率いる元国会議員マリア・コリナ・マチャドが会見を開き、40%の集計時点でゴンサレスが70%を得票しており、次期大統領候補に選出されたのはゴンサレスであると主張し、その証拠を公表すると発表したのである(Tagliafico 2024)。
反政府派連合は、2023年10月に大統領選挙の候補一本化のために予備選を実施し、マチャドが9割以上の圧倒的支持を集めて選出された。多くの反政府派政治リーダーと同様マチャドも繰り返し政治的弾圧を受け、現在も公職追放処分を受けている。彼女は、同処分には正当性がないとして意に介さず、予備選に立候補して圧倒的な支持を得て選出された。米国をはじめとする諸外国が、マチャドに対する公職追放の解除を求めたが、チャベス派が支配する最高裁は同処分を維持することを決定した。
マチャドは大統領選挙で勝利しても、大統領への就任を阻止される可能性が高い。そのため2024年3月末の立候補登録の締め切り直前に、マチャドは立候補を断念することを余儀なくされた。そして自らの代わりとなる統一候補の擁立を急ぎ、紆余曲折のすえ4月にゴンサレスをマチャドの代替候補とすることで反政府派連合のコンセンサスが形成された。
ゴンサレスは元キャリア外交官で政治経験をもたない無名の人物であった。しかしマチャドが支持者らに対して、政権交代のためにゴンサレスを支持するよう強く求め、二人三脚で全国を行脚し、マチャドへの高い支持をそのままゴンサレスに反映させることに成功した。
マチャドはゴンサレス候補の勝利を宣言した際に、それを証明する証拠をもっていると発言していた。そして、選挙後1日足らずで全国の投票所の自動投票機の開票表の画像を、インターネット上で公開したのである(Resultados con Venezuela)。そこでは、全国→州→市→区→投票所→自動投票機の各段階における集計データに加え、全国の投票所に配置された約3万台のうち2万5000台以上の自動投票機で印刷された開票表の画像が公開されている(図1)。開票表は、与野党双方の立会人によって署名され、印刷日時や投票所名など、その文書に関する情報とQRコードが印刷されており、どの投票機(つまり選挙区)の開票結果であるかが一目瞭然である。反政府派連合の選挙本部は、各投票所の反政府派側の立会人に対して、自動投票機の開票表が渡されたら速やかにその画像を送信するように求めていたとみられる。
自動投票機は選管が準備、管理したものであり、開票表は投票締め切り後に電子データが中央選管に送信されるとともに機械が自動的に印刷するため、反政府側が改ざんすることは技術的に不可能である。また、反政府側立会人がそれをもっているということは、その投票機は問題なく開票表を印刷したということであり、選管やマドゥロ側の立会人も同じものをもっているはずである。選管は途中で通信妨害があったため集計が遅れたと言っているが、8割の集計結果として「マドゥロの揺るがない勝利」という結果を発表したからには、それを裏付ける各投票所のデータが存在するはずである。にもかかわらず、選管は2度の結果発表のいずれにおいても全国集計数値のみを発表し、詳細な開票表を提示していない。
事前の複数の世論調査や当日の出口調査でも、大きいマージンでのゴンサレス勝利が予測されていた。7月に行われた3社の世論調査では、マドゥロに投票すると答えた人は12.1~24.6%、ゴンサレスに投票すると答えた人は59.1~71.9%となっており、ゴンサレスがマドゥロに35~60ポイントの大差をつけている3。また当日行われた出口調査でも、ゴンサレスに投票したと答えた人が65%、マドゥロに投票したと答えた人が31%となっている4。これらはいずれも、反政府派連合が発表した選挙結果(表1)とほぼ一致している。
ベネズエラは、マドゥロ政権下の7年間で国家経済(GDP)が5分の1に縮小するほどの経済破綻とハイパーインフレに見舞われた。それは貧困層により大きな打撃となった。生活困窮や政治的弾圧、治安悪化から逃れるために、人口の3割弱に相当する約780万人が国を出た5。そのような状況下で、政権の責任者が国民の支持を集めて再選されたという主張を信じるのは容易ではない。
国外に500万人ほどの有権者が存在するが、国外に出た経緯から大半は反政府派支持であると考えられる。
ベネズエラ2024年大統領選挙――2つの相反する「選挙結果」(坂口 安紀) - アジア経済研究所2024年7月28日、ベネズエラで大統領選挙が実施された。その結果をめぐり、現職と対立候補の間で激しい争いが生じている。選挙管理委員会(以下「選管」)は翌日未明に、2013年以来政権を支配するニコラス・マドゥロが51.2%、反政府派連合の統...www.ide.go.jp
グロ
麻薬カルテル
お前らが選んだんだ大統領だろ
こっちは国の代表を選ぶ権利すらないんだぞ
敗者が大好きな不正選挙を主張してるんでしょ
モメンも大好きじゃん
高市の高い支持率はマスコミの捏造なんだろ?
てだけだろ
中南米のキューバとベネズエラはアメリカに対するカウンターだから
ベネズエラも極左政権と呼べ




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