https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/69cba04e9a17274dcf98d575b7cd605d10493133
事実は小説より、いや、配信ドラマより、奇なり。
Netflixは、まさにそう実感しているに違いない。新作ドラマのために5,500万ドル(およそ81億円)を支払うも、監督は作品を完成させなかったどころか、高級車や高級ホテル、リスクの高い株式投資など、個人目的のために使い果たしてしまったのだ。事件は警察沙汰となり、年内に裁判を控える。有罪となれば、最長懲役数90年が待ち受ける。
この話は、最初から最後まで、ありえないことだらけだ。なぜこんなことが起きたのかと首をかしげたくなるが、背景には、「配信ブームの時代」が始まり、各社がコンテンツ獲得に必死で、通常な判断ができなくなっていたという、あの頃独特の事情がある。
問題の人物は、カール・リンシュ。キアヌ・リーヴス、真田広之、浅野忠信らが出演した2013年の「47RONIN」の監督だ。1億7,500万ドルを費やしたこの映画は全世界で1億5,000万ドルしか稼げず、赤字に。製作中にもプロデューサーのスコット・ステューバーと衝突し、編集室を追い出されるなどトラブルがあったと言われる。この映画で劇場用長編映画監督デビューしたリンシュにこの後映画界から声がかかることはなく、彼はコマーシャルの仕事で生計を立てていた。
だが、2018年、彼はNetflixとSFシリーズの大型製作契約を結ぶのだ。
当時は、Disney、Warner Bros.、Apple、NBC Universalなどがこぞって自社の配信サービスを立ち上げようとしていた頃。リンシュのプロジェクト「White Horse」にも複数の会社が手を挙げ、Amazonが競り落としそうになるも、Netflixは最後になってさらに条件を釣り上げ、見事手に入れたのである。
そこにはなんと、「ファイナル・カット」の項目まで入っていた。スタジオが編集に口を出せない「ファイナル・カット」は、ごくひと握りの超大物監督にだけ許されるもの。監督した映画が1本しかなく、その映画では編集も任せてもらえなかったリンシュのような人に与えられるのは、極めて異例だ(しかも、『47RONIN』で衝突したステューバーは、2017年にNetflixに入社しているのである。彼には社内で相談がなかったということだろう)。
それどころか、そこまでに4,400万ドルを費やしていた彼は、まだ何も形になったものを見せていないというのに、Netflixにもっと金をくれと要求するのだ。迷いはあったが、ここまで投資してきたのに手ぶらで終わるのを恐れ、Netflixは1,100万ドルを送金。その金をリンシュは個人の口座に移し、個人的な投資に使い、大損を出してしまうのである。
彼の奇妙な振る舞いや、妄想のような言動は以後も続き、妻は2020年7月、離婚を申請。翌2021年3月、Netflixはついに製作を中止し、損失を受け入れると決意する。リンシュはこの作品を別の会社に売り込んでかまわないが、引き継いだ会社はNetflixがここまでに投資してきた金額を払い戻すのが条件。しかし、リンシュは、自分が金だけもらって何も届けなかった事実を棚に上げ、Netflixからもらった金の残りを使って弁護士を雇い、Netflixを訴訟。彼はまた、残りの金を投資して出した利益で、ロールスロイス、フェラーリ、アンティーク家具、腕時計などを購入したり、高級ホテルに宿泊したり、クレジットカードの支払いや離婚弁護士代に使ったりした。
Netflixに対する訴訟には負け、リンシュは支払いを命じられたが1ドルも払わず。しかし、陰ではFBIによる捜査が進んでおり、今年3月、彼はロサンゼルスで逮捕されてしまった。主な容疑は詐欺と横領。すべてにおいて有罪となった場合、最長で90年の懲役を言い渡される可能性がある。
裁判は当初、9月8日に設定されるも、12月に延期。お金を使い果たしてしまったリンシュの弁護士は公定弁護人で、裁判のプロセスで来週ニューヨークを訪れるための飛行機代も自分では出せない状況だという。リンシュは今も無実を主張し続けている。
「White Horse」は、そもそも、リンシュが自ら製作費を出し、短いバージョンを自腹で撮影することで始まった。そのうち、プロダクション会社30Westが出資してくれるようになったのだが、トラブルが起きると、「47RONIN」を通じて友達になったリーヴスが救世主としてやってきてくれたのだ。リーヴスはお金を出してくれた上、この作品のプロデューサーにもなった。そうやって完成した1話あたり4分から10分程度の映像6話を配信各社にプレゼンした結果、争奪戦が起きたのである(権利を獲得したNetflixは、30West をはじめとする初期の出資者にお金を払い、問題はなくなった)。
もちろん、リーヴスは、リンシュがNetflixから受け取った金を不正に使用したことには一切かかわっていない。しかし、リンシュという人物やこのプロジェクトの過去のトラブルについては知っているはずだ。とは言え、こんなことに巻き込まれるとは、当初は思いもよらなかっただろう。もちろん、誰もそんなことは考えもしなかった。結果的に被害に遭ったのはNetflixだったが、Amazonか、あるいはやはり手を挙げていた別の会社がその立場に置かれた可能性は、十分あったのだ。
その頃と違い、今、配信会社は、「損得はさておき、とにかく作れ作れ」ではなく、利益を重視する姿勢になっている。ひとつの作品に巨額の予算をかけることもあるが、やみくもではなく、計算し、熟考した上で決断する。市場は成熟したのだ。裁判の結果がどう出たとしても、リンシュの件は、将来、配信の歴史を振り返る上で、語られる出来事となることだろう。これもまた、成長の痛みのひとつだったとして。
懲罰的罰金とかね
政治家でも引っ張れる様にしないとねw
ほんこれ
なんつって
多くが金額に見合う仕事してないよな
キアヌに金借りて完成させたっていう短いドラマが結構出来が良かったんだろうな
少なくとも可能性を感じるような作品ではあったって事か
カール・リンシュは中国系じゃないぞ
きっと自己紹介なんだろ
ゴミに投資しゴミを作り出す
ゴミのサブスクリプションですわ
外人が考えるエセ日本で名作になった作品一つもない
粗製乱造してたらユーザー離れるよ
アタリショックから何も学んでないのね、あいつら
書いたのは消防か?



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