見逃されてきた「新しいリベラル」の受け皿になるのはどの政党か/橋本努氏(北海道大学大学院経済学研究科教授)(ビデオニュース・ドットコム)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c110930853878f1d24efb8fe5b54ee4a26af1626今日、日本でも世界でも、リベラル勢力は退行し、保守勢力や国家主義的な勢力が政治の主導権を握っていると考えられている。実際、アメリカではアメリカファーストのトランプ政権がリベラル政策をことごとく塗り替えているし、日本でも自民党内では比較的リベラルとされた石破政権が短命に終わり、それに代わって保守派の高市政権が発足したばかりだ。
ところが、北海道大学の橋本努教授らのグループが大規模な社会意識調査を行ったところ、日本には既存のリベラル勢力とも、また保守勢力とも一線を画する、「新しいリベラル」層というものが生まれており、今やそれが最大勢力になっていることがわかったという。
橋本氏らの研究グループは2022年7月、約7,000人を対象とするウェブ調査を行った。調査の結果、これまで見落とされてきた「新しいリベラル」の存在が浮かび上がった。数としては多数派ではないものの、全体の約2割を占める最大勢力「新しいリベラル」の存在が確認されたという。
そもそも日本のリベラルというものは、「政治的には自由を重視し、経済では福祉国家を支持する人々」とされてきた。それに対し、「新しいリベラル」とは政府による投資を重視する人々だと橋本氏は言う。その結果、従来型リベラルが弱者支援を重視するのに対し、新しいリベラルは成長支援を重視するほか、従来型リベラルが高齢世代への支援を重視するのに対し、新しいリベラルは子育て世代や次世代への支援を重視するなどの違いがある。そしてもう一つ新しいリベラルが従来型リベラルと大きく性格を異にする点は、憲法9条、日米安保、自衛隊などリベラルであることの前提条件といっても過言ではない「戦後民主主義的な論点」にこだわりがないことだという。
政府の予算を大別すると年金などの「消費」と、教育などの「投資」に分けることができる。この2者の比率を投資側にシフトさせていくべきだと考えるのが新しいリベラルの発想で、それは例えば失業者に現金給付などの支援を主張する伝統的なリベラルの立場とは異なり、再び働けるようにする職業訓練やリスキリングなどへの「投資」を優先する。
7,000人を対象に行った大規模な意識調査では、例えば大学奨学金の望ましいあり方について、「経済状況に関係なく学ぶ意欲のある全ての生徒を対象とすべき」、「貧困層や障がいのある生徒など社会的に不利な立場にある人を中心にすべき」「大学は原則として自己負担で進学すべき」といった選択肢を提示し、潜在クラス分析という統計方法で似た回答パターンをした人をグループ分けした。その結果、「従来型リベラル」、「新しいリベラル」、「成長型中道」、「福祉型保守」、「市場型保守」、「政治的無関心」という6つのグループに分かれたという。このうち「新しいリベラル」は、従来の社会調査では十分に把握されてこなかった層であり、今回の調査ではもっとも多数を占めるグループだったという。
「新しいリベラル」の考え方を初めて体系的に示したのはイギリスの社会学者アンソニー・ギデンズだった。ギデンズが1998年に出版した『第3の道』は、労働党ブレア政権の理論的基盤となり、公共事業と手厚い福祉(第1の道)、小さな政府を志向する新自由主義(第2の道)の両極端ではなく、社会的公正と市場の効率性の両立をめざす現代的な社会民主主義を標榜したため、当時ブレア政権は「ニューレイバー」などと呼ばれた。
日本でも2009年に民主党政権が発足した際に、新しいリベラルの志向に近似した様々な政策が掲げられたが、民主党内に混在する古いリベラルと新しいリベラルの対立によって、両者の折衷案のような政策になってしまった。さらに民主党は戦後民主主義的な論点にも深々とコミットしたため、経験不足と東日本大震災も相まって民主党政権はあまり芳しい成果をあげられないまま3年で終焉してしまった。
その後、日本では世代交代も進み、国民の側は新しいリベラル意識を持った有権者層が確実に増えていったが、紆余曲折を経ながらも立憲民主党内のオールドリベラルとニューリベラルの対立は続いた。
現在、新しいリベラルの投票先は立憲民主党の右や国民民主と自民党の左と維新に分散されてしまっている。それはつまり、最大勢力の新しいリベラル層の受け皿をどの政党も提供できていないことを意味している。
隠れた主流派の新しいリベラルとはどのような人たちなのか。それは伝統的なリベラルと何が共通し何が異なるのか。新しいリベラルが最大勢力であるにもかかわらず、その立場を代表する政治勢力ができないのはなぜか。どうすればそれを作ることができるのかなどについて、北海道大学大学院経済学研究科教授の橋本努氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。(今回橋本氏はリモート出演になります)
【プロフィール】
橋本 努 (はしもと つとむ)
北海道大学大学院経済学研究科教授
1967年東京都生まれ。90年横浜国立大学経済学部卒業。96年東京大学大学院総合文化研究科課程単位取得退学。博士(学術)。専門は社会経済学、社会哲学。北海道大学助教授、准教授などを経て2011年より現職。17年よりシノドス国際社会動向研究所所長を兼務。著書に『消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神』、共著に『新しいリベラル』など。
宮台 真司 (みやだい しんじ)
社会学者
1959年宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授、東京都立大学教授を経て2024年退官。専門は社会システム論。(博士論文は『権力の予期理論』。)著書に『日本の難点』、『14歳からの社会学』、『正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-』、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』、共著に『民主主義が一度もなかった国・日本』など。
神保 哲生 (じんぼう てつお)
ジャーナリスト/ビデオニュース・ドットコム代表 ・編集主幹
1961年東京都生まれ。87年コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャン・サイエンス・モニター、AP通信など米国報道機関の記者を経て99年ニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を開局し代表に就任。著書に『地雷リポート』、『ツバル 地球温暖化に沈む国』、『PC遠隔操作事件』、訳書に『食の終焉』、『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』など。
【ビデオニュース・ドットコムについて】
ビデオニュース・ドットコムは真に公共的な報道のためには広告に依存しない経営基盤が不可欠との考えから、会員の皆様よりいただく視聴料(ベーシックプラン月額550円・スタンダードプラン1100円)によって運営されているニュース専門インターネット放送局です。
(本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。)
なんでここにハードオフおじさんが!?
そう昔からの言い方なら
そう立憲
今の支持者が正にこれ
俺が立憲に入れてるのは自民の腐敗防ぐって一点だけで消去法で立憲レベル
ウヨのデマや攻撃性にうんざりしてる層はそれなりにいるだろうし予期せぬ形でもうちょいまともなリベラル政党台頭してくると思うわ
もっとも、それらの人が職業訓練を優先している形跡なんて全く見つけられないけど
伝統的リベラルで職業訓練に否定的な人も見たことないけど
嘘つきな上に嘘を見抜けないのがAIだけど?
政治学者の先生たちがやってるのは論文と統計を結び付けて適当理論を発明して語ってるだけ
俺やお前やその他のねらーと大差ないよ
それならより多くの情報を収集できるaiの方が確実にこの手の問題では優れてる
またもや縁故主義に陥りがちだな
それはネオリベでさえそうだし
経済的弱者を差別するような奴が増えただろ
これがリバタリアンであり、最近は「バラモン左翼」と呼ばれる連中
これを橋本って人は「新しいリベラル」と呼んでる
左翼=共産・社会主義
最近はこの根本的の部分が忘れられてる
リバタリアンもバラモン左翼も「新しいリベラル」も
本来のウヨサヨの定義では右翼なんだよ
じゃあ河野洋平がもっとも中道ってことだな
これにしか見えなかった
リベラルが自民党国民民主維新とかなんの冗談だと
前世紀ならファシズムに近い思想でその系譜にあって戦後日本では民社党や民主党の一部や初期の維新が取り入れていた思想の潮流だと思う
この理論のなら最近の参政も国民のブームも
早苗人気もこの勢力に支持を受けてこそ
あれはこの人の言う「新しいリベラル」とは違う
あっちのは社会民主主義で本来的な左派
マムダニは有権者の「金持ちを嫌な気分にさせたい」の具現化なので
実のところMAGA(インテリを嫌な気分にさせたい)と同根で左のMAGAみたいなもんだと思う
アレは保守ではないがリベラルでもない
積極財政支持で財政規律重視してる財務省を敵とみなしてるネトウヨの変種だろ
それは新自由主義



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