中国「フェンタニルの原料の輸出を規制するわ」トランプ「お礼に関税を引き下げるね」

ワシントン、11月12日（ロイター） – 中国が、致死性の合成オピオイドであるフェンタニルに関連する化学物質を阻止するための計画に合意したと、FBIのパテル長官が水曜日に述べた。

Patel氏によれば、この合意は、先週北京への自身の訪問を経て成立したもので、この訪問は米大統領のトランプ氏が先月韓国で中国の国家主席 習近平 氏と会談した後のものだった。

「中華人民共和国は、フェンタニルを製造するために用いられる13種類の前駆体化学物質を全面的に指定・登録している」とパテル長官は記者会見で述べた。「さらに、致死性のこの薬物を生産するために用いられる7種の化学子会社（化学物質関連企業）を統制することにも合意した。 」
（氏はこの件の詳細をそれ以上明かしていない。）

中国側はワシントンからのコメント要請に対して応じなかった。

中国の商務部は月曜日に、「薬物関連の前駆体化学物質の目録を調整し、特定の化学物質の米国、カナダ、メキシコ向け輸出に許可を必要とする」と発表した。
また、薬物製造化学物質として登録されていないものの生産・輸出に対しても監視を強化し、違法な流通経路に入ることを防ぐとしている。
さらに、輸出先が「高リスク」とされる米国などの国へ化学物質を送る場合、輸出者が犯罪的なリスクを負う可能性があることを強調している。

この合意を受けて、トランプ政権は中国製品への制裁関税を、フェンタニルの流通を巡る取り組みの中で課していたものから半減し、10 %とした。
トランプ氏は会談後、習 氏が「フェンタニルの流れを止めるために大変努力するだろう」と述べた。

財務長官の Scott Bessent 氏によれば、新しい合意の詳細は、二国間の作業部会を通じて詰められる予定だ。

この合意は、トランプ政権側が「中国がフェンタニル供給網を実際に取り締まるまで制裁措置を維持する」と主張してきた立場から変化を示すものだ。

一方、中国政府関係者からは、前駆体化学物質の規制に関してすでに大規模な対策を講じてきたという主張があり、ワシントンがこの問題を「恫喝（どうかつ）」として利用していると非難する声もある。
https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/fbi-chief-china-agreed-plan-stop-fentanyl-precursors-2025-11-12/