日本人の電子辞書離れが深刻化 これからどうやって単語を調べればいいんだよ

「電子辞書はかつては非常に収益を上げられる事業だったが、残念ながら成長性も収益性も低くなってしまった」。カシオの広報担当者は「こちら特報部」に、新モデル開発中止の理由をこう説明した。
電子辞書は1979年、シャープが日本で初めて売り出したとされる。他メーカーも続き、カシオは1981年に参入した。当初は半導体メモリーや液晶による高コストの割には収録された単語数が少ないなど使い勝手が悪く、あまり広がらなかったという。
電子辞書市場の急成長は、2000年ごろ。半導体メモリーの容量が拡大し、価格低下も加速した。出版社からの電子化した辞書データの提供も増え、多数の辞書が搭載されるように。英和や和英、国語辞典にとどまらず、古語や歴史用語集、家庭向けの医学書など生活・実用書も加わった。

その後は液晶カラー化や、英単語を読み上げたり、手書きの文字を検索したりといった機能を採用。一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会によると、主要メーカーによる電子辞書の国内出荷台数は、2007年に280万5000台とピークを迎えた。
電子辞書の好況を一変させたのが、スマートフォンの普及だ。スマホのアプリで辞書機能を使う人が増えたことにより、電子辞書の出荷台数は減少傾向をたどるように。2015～2019年は110万台前後で推移し、ピーク時の4割ほどになった。

市場が縮む中、国内シェア5割以上を占めて2004年から首位を走ってきたカシオは、高校生ら学生向けの製品を重視してきたことで踏みとどまった。…
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