
- 1 : 2025/05/28(水) 11:07:22.48 ID:NgY+O+bZ0
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リトルバスターズ! 星の名の少女と砲火の空
第一章:その声が届く場所まで
放課後の部室に、冬の夕日が差し込んでいた。
能美クドリャフカ「……ウクライナに、行くのです」
その一言が、部屋の空気を凍らせた。
棗鈴「はっ!? 何言ってんの、クド! あそこ、今戦争してる場所でしょ!」
クドリャフカ「はい……でも、わたしのおばあさまが、ウクライナの避難区域にいるのです。連絡も取れず……誰かが行かなければ、ずっとひとりなのです」
- 2 : 2025/05/28(水) 11:08:48.19 ID:NgY+O+bZ0
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井ノ原真人「うおお……マジかよクド。お前、どんだけ覚悟決まってんだよ。でもさ、戦争のど真ん中に飛び込むとか、それはさすがに無茶ってやつじゃねーか?」
直枝理樹「でも、クドが本気で行くって言うなら……僕は止めない。むしろ、支えたい。だってクドは、僕たちの大切な仲間だよ」
クドリャフカ「理樹……ありがとう、なのです……!」
宮沢謙吾「危険なのは百も承知だが、黙って見ていられるような友情なら、俺は最初から信じていない。俺も行く。能美のために、命を張る覚悟はある」
真人「おいおい、謙吾までカッコつけんなよ……チッ、じゃあ俺もだ。何ならオレが一番前に立って盾になってやるよ!」
- 3 : 2025/05/28(水) 11:09:24.15 ID:NgY+O+bZ0
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棗恭介「そういうことだ。リトルバスターズの原点は“困ってる仲間のために立ち上がる”ことだ。これは戦争でもなんでもない、俺たちの“戦い”だ。やるぞ、全員!」
棗鈴「……はぁ、バカばっか。でも……あたしも行くよ。クドのこと、見捨てられるわけないじゃん」
クドリャフカ「み、みなさん……本当に……ありがとう、なのです……!」
クドの瞳に涙が浮かぶ。だがその奥には、確かな光――「決意」があった。
- 4 : 2025/05/28(水) 11:09:49.77 ID:pIoOSQ7zr
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エ口シーンもあるんだよな?
- 5 : 2025/05/28(水) 11:10:12.93 ID:NgY+O+bZ0
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数日後、彼らはロシア南部、テヴア共和国に到着した。そこはクドの祖父が暮らしていた地であり、彼女が生まれた場所。
理樹「ここが……クドのおじいちゃんが生まれた場所なんだね」
クドリャフカ「はい……祖父がここで育ち、私の名前『クドリャフカ』をつけてくれたのです。宇宙に行った犬の名を、人の希望に変えるために……」
恭介「その“希望”の名を背負って、今ここに立ってる。それは誰よりも強いことだ」
- 6 : 2025/05/28(水) 11:10:30.97 ID:OesvirN60
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わふー
- 7 : 2025/05/28(水) 11:10:55.72 ID:NgY+O+bZ0
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謙吾「ならば、俺たちは“その希望”を通す剣となろう」
真人「剣より拳派だけどな! ってことで、どっから行くんだ?」
クドリャフカ「東の国境を越えて、ウクライナの避難ルートに入ります。でも……そこは、すでに砲撃が……」
そのとき、遠く空に雷鳴のような音が響いた。
ドゥゥゥゥン……
- 9 : 2025/05/28(水) 11:11:22.55 ID:NgY+O+bZ0
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鈴「これ……本物の、戦争の音……」
理樹「それでも……行こう。クドのおばあさんを助ける。それが僕たちの“今のミッション”だ」
恭介「ああ――リトルバスターズ、出撃だ!」
こうして、仲間たちの戦場への旅が始まった。
少女の名が“星”に由来するのなら――
その輝きは、決して闇に飲まれない。 - 10 : 2025/05/28(水) 11:12:13.63 ID:NgY+O+bZ0
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第2章:受け継がれた願い
灰色の空の下、雪に覆われた小さな村に足を踏み入れた。
その場所は、クドリャフカが生まれ育った家のある、遠い記憶の地だった。クドリャフカ「……ここ、なのです。わたしの家族が暮らしていた場所……」
扉を叩くと、中からひとりの老人が現れた。
皺の刻まれた顔が、ゆっくりと綻ぶ。 - 11 : 2025/05/28(水) 11:13:01.74 ID:NgY+O+bZ0
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老人「……クドリャフカか。よく……帰ってきたな……」
クドリャフカ「おじいさま……!」
彼女は駆け寄り、老人の胸に飛び込んだ。
ストーブの火が灯された室内で、仲間たちも温かく迎えられた。
リトルバスターズのメンバーは、静かに様子を見守る。夜が更ける頃、老人は小さな手紙を取り出して、クドリャフカに手渡した。
- 12 : 2025/05/28(水) 11:14:43.78 ID:NgY+O+bZ0
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老人「あの人から届いた最後の便りだ。ドニプロという場所にある避難区域で、子どもたちの世話をしていると書かれていた」
クドリャフカ「……おばあさまは、なぜ……?」
老人「“誰かがそこにいなければならない。だから私が行く”とだけ言って、数年前にロシアを出た。そして今は……」
老人の目は遠くを見つめていた。
老人「最後の通信は、数週間前。空爆の後に連絡が途絶えた」
- 13 : 2025/05/28(水) 11:15:37.89 ID:NgY+O+bZ0
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クドリャフカは唇を噛みしめながら、手紙を胸に抱きしめた。
クドリャフカ「……わたし、行きます。おばあさまを、迎えに行くのです……!」
理樹「僕たちも一緒に行くよ。絶対に、無事でいるって信じよう」
恭介「戦場を越える覚悟があるなら、方法はある。危険は増すが……構わないな?」
- 14 : 2025/05/28(水) 11:16:55.07 ID:NgY+O+bZ0
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鈴「クドの覚悟が本物なら、あたしは迷わないよ」
真人「よっしゃー! ウクライナまで一直線だ!」
謙吾「油断は禁物だ。特に国境近くは……民兵が多い」
その夜、老人は屋根裏から古びた無線装置を取り出し、クドリャフカに手渡した。
老人「これなら、まだ地下の通信網とつながる可能性がある。あの人が生きていれば……きっと、返事があるはずだ」
- 15 : 2025/05/28(水) 11:17:21.81 ID:AKoFpibL0
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セクロスまだ?
- 16 : 2025/05/28(水) 11:17:44.36 ID:NgY+O+bZ0
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クドリャフカ「……ありがとう、おじいさま。必ず、連れ帰ります……!」
翌朝、雪の中に立つ老人が、小さく手を振った。
クドリャフカは振り返らず、前を見た。
星の名前を与えられた少女の旅が、いま再び始まる。その先に、爆音が響く戦場が待っていることを、彼女たちはまだ知らなかった。
- 17 : 2025/05/28(水) 11:19:19.84 ID:NgY+O+bZ0
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第3章:境界線の向こうにあるもの
薄暗い森を進む列車が止まった。
貨物車両の片隅に身を潜めたクドリャフカたちは、凍えながらも静かに息を殺していた。恭介「ここから先は、徒歩で国境を越える。小さな川沿いの抜け道があるが、巡回している者たちに見つかれば……」
謙吾「問答無用で撃たれる可能性もある。慎重にいこう」
リトルバスターズは、音を立てずに森の中を進んだ。
- 18 : 2025/05/28(水) 11:20:20.27 ID:eU+vVH780
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催眠恋愛の玖鳥谷風香
- 19 : 2025/05/28(水) 11:20:38.48 ID:NgY+O+bZ0
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雪が積もった木の葉が、頭上でさらさらと揺れる。
クドリャフカ「あの先です……この丘を越えれば、ウクライナの側へ入ります」
しかし、彼らが丘を下りたそのとき――
「止まれ!」
鋭い声とともに、木の陰から数人の男たちが現れた。
銃口が向けられる。 - 20 : 2025/05/28(水) 11:21:39.24 ID:NgY+O+bZ0
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鈴「っ……!」
理樹「僕たちは民間人です! 戦闘の意思はありません!」
返ってきたのは、警戒に満ちた言葉。
「名前を言え。どこから来た」
クドリャフカ「わたしたちは……祖母を探しているのです。ウクライナの避難区域にいるはずで……!」
男たちの一人が、クドリャフカの持つ古い無線機を見て目を細めた。
- 21 : 2025/05/28(水) 11:23:37.25 ID:NgY+O+bZ0
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「……その装置、どこで手に入れた」
クドリャフカ「祖父が……この近くで使っていたのです。まだ通信可能かもしれないと……!」
一瞬の沈黙。
男たちは顔を見合わせ、やがてひとりが銃を下ろした。「――お前ら、本気で行くつもりか。戦争のど真ん中に」
恭介「本気だ。俺たちは……家族を、友達を、希望を信じて動いてる」
- 22 : 2025/05/28(水) 11:24:35.86 ID:BSc/oPW3d
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なんJ民のリトバスSSは伝説だったな
- 23 : 2025/05/28(水) 11:24:45.85 ID:NgY+O+bZ0
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静かに、だが確かな熱をもって語るその声に、男は息を吐いた。
「いいだろう。案内するわけにはいかんが、これを使え。地下通信網の周波数の一部だ。最近の避難区域の位置も含まれている」
男が投げ渡したメモを受け取ると、恭介は深く頭を下げた。
恭介「……ありがとう」
民兵たちは何も言わず、森の闇に消えた。
- 24 : 2025/05/28(水) 11:25:46.74 ID:NgY+O+bZ0
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鈴「……行こう。道は、開いた」
クドリャフカ「はい……! おばあさまは、きっと、どこかで生きているのです……!」
その夜、彼らは雪の中で小さな火を囲みながら地図を広げた。
目的地は、ドニプロ郊外の避難区域。だがそこは、今なお断続的な戦闘の続く危険地帯。 - 25 : 2025/05/28(水) 11:26:26.67 ID:NgY+O+bZ0
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理樹「これから先、簡単じゃない。でも……必ず、見つけよう」
クドリャフカ「はい……わたしが、その人を“希望”だと信じる限り……きっと、道は見つかるのです」
その瞳には、遠い空に光る星のような強さが宿っていた。
- 26 : 2025/05/28(水) 11:27:30.46 ID:NgY+O+bZ0
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第4章:残響の中で
夜明け前。
灰色の空に鈍い轟音が響いた。「――ドォン!」
地面が揺れ、遠くの建物が崩れる音がした。
理樹「……空爆だ!」
鈴「やばい、あれ避難区域の方向じゃないか!?」
- 27 : 2025/05/28(水) 11:28:19.53 ID:NgY+O+bZ0
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クドリャフカ「……っ!」
慌てて走り出したクドリャフカを、恭介が腕をつかんで止める。
恭介「落ち着け! 走り出せば撃たれるぞ!」
クドリャフカ「でも、あそこに……!」
謙吾「まずは、周囲の状況を確認する。地図上の地下通路がまだ通れるなら、迂回できる」
破壊された街の一角、クドリャフカたちはかつての地下鉄の入口を探し出した。
- 28 : 2025/05/28(水) 11:29:40.90 ID:NgY+O+bZ0
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瓦礫をどかし、錆びた階段を降りていくと、腐った空気と静寂に包まれる。
真人「なんかホラー映画みたいだな……」
理樹「でも、これしか道がない……行こう!」
地下通路の先で彼らを待っていたのは、避難民たちの痕跡だった。
焦げた寝袋、書きかけのメモ、そして――鈴「……これ、クドの……?」
- 29 : 2025/05/28(水) 11:30:21.51 ID:NgY+O+bZ0
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壁に貼られた紙の一枚。
そこには、手書きのロシア語でこう記されていた。Кудряфка=クドリャフカへ
Я здесь.=私はここにいます
Я всё ещё жива.=私はまだ生きていますクドリャフカ「……おばあさま……!」
それは、避難区域が攻撃される直前に、祖母が残した伝言だった。
- 30 : 2025/05/28(水) 11:31:34.01 ID:NgY+O+bZ0
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恭介「これが本物なら、少なくとも数日前までは生きていたってことだな」
クドリャフカ「はい……!」
理樹「次は、ここからどう動くか。地上は危険すぎる。地下通路で避難民と接触できるかもしれない」
そのとき、地上からまた爆音が鳴り響いた。
- 31 : 2025/05/28(水) 11:32:36.22 ID:NgY+O+bZ0
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天井が微かに揺れる。
謙吾「……急がないと、通路ごと崩れるぞ」
クドリャフカは通信装置を手に取り、指定された周波数に合わせた。
「……応答、求ム。応答、求ム……こちら、避難区域を目指す民間グループ。生存者、応答願います」
しばらく、ノイズだけが返ってくる。
しかし――
- 32 : 2025/05/28(水) 11:33:49.23 ID:AKoFpibL0
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そろそろセクロスした?
- 33 : 2025/05/28(水) 11:33:49.93 ID:NgY+O+bZ0
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「……こちら、避難キャンプの地下……一部、生存者アリ……!」
通信が入った。
クドリャフカ「! 今の声……!」
鈴「聞こえた! 生きてる人がいる!」
恭介「場所を確認しろ。距離は?」
- 34 : 2025/05/28(水) 11:34:24.42 ID:NgY+O+bZ0
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理樹「この通路の先、旧市街側の地下ステーション……!」
爆撃の中、クドリャフカたちは新たな目標へ向かって駆け出した。
一歩でも早く、愛する人に辿り着くために――。


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